【書籍紹介】

箱根写真美術館常設および所蔵作品である、神奈川県箱根町在住の写真家・遠藤 桂の富士山作品集を刊行致しました。  
遠藤桂は、祖父・父ともに写真家という環境に生まれ育ち、20年に渡り大判8×10、中判6×6フィルムを用いて富士山を撮影、国内外で作品発表を続けています。
 本書では、2003年から5回にわたってフランス・パリで発表したハッセルブラッド6×6フィルムのシリーズから36点を収載しました。
 富士山が世界文化遺産に登録されたことを記念し、日本のこころ、富士の力強い姿を国内外に発信して参ります。
是非ご高覧下さいませ。

【内容】遠藤桂 富士山写真作品 36点
【寄稿】斎藤靖二「心の故里・富士』
<神奈川県立生命の星・地球博物館名誉館長/地質学者、博士(理学)>
【書籍情報】

発行日:2013年7月1日
ISBN978-4-9907206-0-5
SIZE:198×210mm
頁数:84頁  
装丁:ソフトカバー
言語:日本語、英語
定価:本体2200円+税
発行元:箱根写真美術館



大地の鼓動と自然の息吹

大地から鼓動、月光から神秘を感じながら、
日々、富士に導かれるように対峙してきた。

月の射す夜、嵐が去った夕暮れ、雪に眠る朝、
富士は私に語りかけるように美しい姿を見せてくれる。


富士山は日本最高峰の独立峰で、その優美な姿は日本の象徴として広く知られています。
 また、古くから信仰の対象として神聖視され、数多くの芸術作品を生み出す母体ともなってきました。
 富士を望む風光明媚な土地に生まれ、祖父も父も写真家だった私は、幼い頃から祖父の撮影についてゆき、父の写真現像の仕事を手伝いました。
 少年時代からさらに大きな世界、エベレストに憧れを抱き、後にヒマラヤ・アイランドピークに遠征、自然の美しさと同時に厳しさも身をもって体験しました。
 帰国後、写真家として生きるべく模索をし、日本の最高の美である富士山を撮ろうと心に決めました。
 私は富士山を撮る時、昔ながらの8×10の大判カメラとハッセルブラッドのフィルムカメラを愛用しています。
変わらない姿勢で撮影を続けることが、自分のスタイルです。誰もいない山の中で富士と対峙し、月の光や、風の匂い、雲の流れなど、自然を全身に感じながら富士との対話を楽しむ時、その場の時空感までもフィルムに封じ込めることが出来ると感じます。
ただ、素直に正直に表現をするのです。  人生で最も大切だと思う事は、心の平安であり、素直に生きて行くことだと思います。
 日本人である私は、美しく優しい日本の心と自然を愛しています。それをこの美しい山で表現したいのです。
 天命として、これからもこの山を撮り続けたいと思っています。
遠藤 桂


【作家紹介】



遠藤 桂

富士を望む風光明媚な観光地、箱根に生まれる。
風景写真家の祖父と営業写真家の父を持ち、生まれながらに写真と密接な関わりのある環境に育つ。
ゆっくりと被写体と対峙し、時空間をフィルムに焼き付けていく『光のフィンガーペインティング』という独自のスタイルで自然のエネルギー、時空の流れを表現した作品を作り続けている。



1958年 箱根に生まれる
1978年 東京写真短期大学(現:東京工芸大学)を卒業
1979-80年 ヒマラヤ・アイランドピーク冬季遠征登山・撮影、帰国後初個展
1982-87年 トシ若林氏に師事
1991年 写真事務所OASIS設立
2002年 箱根写真美術館 設立
2003年〜PARISにて富士山作品を発表、定期的に個展開催。
2013年 PARIS 19 rue Paul Fortにてグループ展参加。
その他、国内外で個展多数。


箱根写真美術館 出版事業部

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